companion book

からだの工場 用語図鑑

『ミトコンドリア厨房』『肝臓の解毒工場』副読本 — 用語と、その反応が体のどこで起きているか

用語
図鑑
01

その反応は、体のどこで起きているのか

「解糖系は腸で起きるの?」という疑問はとても自然です。答えはいいえ。腸がやっているのは分解して吸収するところまでで、エネルギーを取り出す反応は、そのあと全身の細胞の中で起きています。順番に追うとこうなります。

消 化 管 血 流 ・ 肝 臓 全 身 の 細 胞 口・胃かみ砕く 小腸分解 → 吸収 ここまでが「消化」 デンプン → ブドウ糖 たんぱく質 → アミノ酸 脂肪 → 脂肪酸 門脈 肝臓第1相・第2相はここ 脂肪だけリンパ管を通り、肝臓を素通りして血流へ 血流にのって全身へブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸 細胞質 cytosol 解糖系 ミトコンドリア TCA回路 電子伝達系 胆汁 → 腸 → 便大きい分子はこちら 腎臓 → 尿水に溶ける分子はこちら

覚えておくと効くこと。解糖系は細胞の「中身の部分(細胞質)」で、TCA回路と電子伝達系は「その中にあるミトコンドリアの内側」で起きています。だから糖はまず細胞質でピルビン酸まで分解され、そこからミトコンドリアの扉をくぐる。ゲームで「ビタミンB1がないと乳酸に流れる」のは、まさにこの扉のところです。

もうひとつ。脂肪だけは肝臓を通りません。糖とアミノ酸は門脈という専用の血管でいったん肝臓に集められますが、脂肪はリンパ管を通って首元の静脈から血流に合流します。肝臓のチェックを受けずに全身に回る、唯一の栄養素です。

02

経路の図鑑

式は覚えなくて大丈夫です。「何が入って、何が出るか」だけ眺めてください。赤が入るもの、黄が生まれるものです。

03

栄養素キャラクター図鑑

経路を動かしているのは、酵素とその助手たちです。ゲームで「充足率」として出てくる面々を、仕事ごとに紹介します。

04

ミニ用語辞典

ゲーム中に出てくる、それ以外の言葉です。

一枚にまとめると

  1. 腸がやるのは分解と吸収まで。エネルギーを取り出すのは全身の細胞、その中のミトコンドリア。
  2. 食べたぶんのATPが全部手に入るわけではない。経路を動かす道具(ビタミンB群・鉄・マグネシウム)が足りないと、途中で細くなる。
  3. 肝臓には添加物専用のラインはない。ホルモンも老廃物もコーヒーも薬も、同じ1本のラインを共有している。
  4. 第1相は解毒ではなく下ごしらえ。ここでむしろ危険な中間体になり、第2相で材料をくっつけて初めて無害になる。
  5. だから怖いのは「入ってきた量」より、第1相だけ速くて第2相の材料が切れている状態。お酒・たばこはこれを起こす。